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その他、食と健康に関するトピックス

スーパーで買う野菜はだめで、有機(オーガニック)野菜でないといけない?

そんなことはありません。なぜならスーパーの野菜には健康効果で劣るなどというメタアナリシスはないからです。有機野菜はよりよいものだと思いますが、有機にかかわらず野菜類をたっぷりとることが一番大事です。(詳しくは書籍版 p.298を参照)

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野菜中心生活はお金がかかるのでは?

「野菜は高い」という印象を持つ人は多いと思います。買い物に行っても「高いなぁ」と手にした野菜を戻して、もやしや小さなパック野菜などを買ってお茶をにごすなんていう経験をした人も多いのではないでしょうか。でも100gあたりの値段を考えると、実は野菜はだんぜん安いのです。

食品 安く買った場合の値段
(100gあたり)
お惣菜 100円
80円
りんご、みかん 30円~50円
炊いたごはん 20円
大根、キャベツ、白菜、にんじん、玉ねぎ 10円~20円

肉はどれほど安いといっても100gあたり80円はします。お米はいくらかというと、2kgのお米を千円で買えば、炊いたごはん1膳(150g)は30円となります。では野菜の値段はというと、100gあたりの値段は、大根、キャベツ、白菜、にんじん、玉ねぎならどれも10~20円で買えます。果物はもう少し高めですが、りんごやみかんなら30~50円で買えます。もちろん高い野菜はどこまでも高いのですが、毎日たっぷりと食べる野菜なら、たとえ大根1本が300円したとしても、1人分はせいぜい30円です。このようにグラムあたりの値段をみると、野菜の値段は、肉やお惣菜などとは比較にならない安さになります。

野菜の値段といえば、健康効果を考慮に入れるのも大事です。病気にならないことで医療費がかからなくなることは、経済的に得であることはもちろんですが、「健康に過ごせる時間」も、お金では測れないくらい価値のあるものです。このように考えると、八百屋さんでみる野菜の値段は本来まったく高いものではありません。(詳しくは書籍版 p.322を参照)

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うちの子が野菜を食べなくて困る

たとえば子供たちに、野菜の煮物定食とハンバーグ定食のどちらかを選ばせたら、だれでもハンバーグ定食を選ぶでしょう。肉料理というのは、味覚にうったえる力が強くて豊かだからです。それに対して野菜はというと、肉のような力強い味ではなく、地味で落ち着いた複雑な味です。特に子供の味覚にとっては、野菜よりも肉のほうがすぐに味を楽しむことができ、わかりやすいのだと思います。これは肉に限った話ではなく、炭水化物や油の多いメニューでも同じです。

肉料理と野菜料理のちがいとは、ちょうどテレビと本のちがいのように思います。肉の味は、こちらが味わおうとしなくても食べておいしいものです。これは、積極的にみていなくても楽しい番組が流れてくるテレビのようなものです。でも野菜の場合は、こちらが味わおうとするほど味わえるものです。これは読書において自分の力で文章の世界に入っていくようなものです。つまり野菜の味を楽しめるようになるには、ある程度、ものを味わう能力や、食べる側の努力が必要になるということです。このように「自分しだいで大きく引き出せる価値」のことを「人間側の価値」と呼ぶことができます。

典型的な例は、一杯の水の価値です。ふつうの暮らしの中で飲むコップの水はふつうに水の味がするだけですが、それを水筒に入れて山に登り、一生懸命に登ってやっとたどり着いた山頂で飲むとき、その水は家で飲んだものとはまったく違う味になるでしょう。水一つとっても、「こんなにおいしいものなのか!」と感動できるものです。そのような素質は、私たちの体に本来すでにそなわっているものであり、あとはそれを引きだす私たちの「力」次第なのだと思います。その「力」が、努力です。それは我慢する力であり、体を動かすことであり、ものを味わおうとする能動性です。そのような「力」をつかうことが、人間側の価値を高めることになります。

野菜のおいしさを豊かに味わうためには、質や量の価値だけでなく、人間側の価値を求めて、野菜のおいしさを体で感じられるような生活をすることが大事です。野菜中心生活の導入にあたって、はじめのうちはお肉料理などのごちそうを我慢しなければならない時期があるでしょう。最初は野菜ばかりの質素な暮らしに物足りなさを感じるかもしれません。しかし、ぜひそれをゆっくりと深く味わうようにしてみてください。続けるうちに、奥深く広がる野菜の味の世界に魅了されていくことでしょう。そしてそのおいしさがわかるほどに、野菜がもたらす健康を実感するようになるでしょう。(詳しくは書籍版 p.318を参照)

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健康食品の健康効果はどのくらいあるの?

健康食品として販売額の大きい上位30品目のうち、メタアナリシスによって疾患予防の効果が期待できるものは、乳酸菌、青汁、アロエ、クロレラ、にんにくぐらいのものであり、あとはすべて疾患予防の効果は科学的によくわかっていないものです。青汁とアロエ、クロレラについては、そのもの自体のメタアナリシスはありませんが、どれも野菜としての健康効果はあるといえます。同じ意味で、にんにくについてもそれ自体を粉末にして食べるぶんには野菜として健康にいいといえます。にんにくについては、それを調べたメタアナリシスも発表されており、胃がんや大腸がんになるリスクが大きく減少することが示されています。ただし、にんにくの特定の成分だけを抽出した健康食品については、メタアナリシスが存在しないため効果は不明です。(詳しくは書籍版 p.305を参照)

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いまかかっている病気を治す食品は?

正直にいうと、この問いに答えるのは少し心苦しいものがあります。なぜなら、当協会がさんざん述べてきた主張である「野菜をたっぷり食べる」ことは、病気の予防には有効であっても、病気の治療には必ずしも効果があるとはいえないからです。医学を大きくわけると治療と予防の二つになります。このうち現在までに人類が発展させてきた医学の大部分は治療に関する内容であって、予防は医学全体のうちわずかな割合にすぎません。そしてこれら二つは根本的に異なる方法論なのです。

たとえば歯磨きをすることで虫歯の予防はできますが、すでに虫歯になっている場合、どんなに急いで歯を磨いたところで虫歯は治らないようなものです。もしあなたがなにかの病気であるなら、まずはそれを治療することが大事です。そのうえで、予防は予防として別に対処すべきです。

とはいえ、いま病気であっても野菜中心生活をすすめます。さきほどの虫歯の例でいうと、虫歯になったあとでも歯みがきは無駄ではないのと同じです。いまある虫歯は治せなくてもほかの歯が虫歯になるのは予防できますし、いまの虫歯の進行を遅らせることもできるだろうという考え方です。(詳しくは書籍版 p.294を参照)

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いもを植物油で揚げたフライドポテトはベジタリアン食なのでは?

ベジタリアン食とは動物性の食材を使っていない食品のことなのだから、フライドポテトもベジタリアン食だといえます。しかし、だからといって健康的だとはいえません。メタ・チャート科学的に正しい答えは?からみえてくることとは、野菜や果物は多く食べるほど健康によく、肉、油、炭水化物はひかえめに食べるのがよいということです。

また、「植物性だからよい」という考え方では現代の食における「脂質の問題」は解消できません。脂質の問題についてはこちら(「野菜中心生活で脂質の問題は解決できるの?」にリンク)でくわしく説明します。(詳しくは書籍版 p.281を参照)

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野菜中心生活で脂質の問題は解決できるの? ~アレルギーや神経疾患を考える~

油の主成分は脂肪酸と呼ばれるものです。脂肪酸は体の中でエネルギー源になるとともに、強力な生理機能をもつ物質の原料となります。この生理機能とは免疫や血管の状態を調節するものです。これに深くかかわっているのがn-6とn-3という2種類の脂肪酸です。近年増加しているうつ病などの精神・神経疾患やアトピーなどのアレルギー疾患には、これらの脂肪酸が影響しているのではないかと考えられています。ここでは脂質によって起こる問題とその対策について説明します。

n-6とはほぼリノール酸のことであり、n-3はαリノレン酸とEPA、DHAのことです。n-6には炎症を促進する働きがあり、逆にn-3には炎症を抑制する働きがあることがわかっています。そのためn-6は悪玉、n-3は善玉の脂肪酸と呼ばれることがあります。欧米化した食生活によってn-6の摂取量が大きく増え、n-3は減ったことから、体内では過剰な炎症反応が起きているといわれています。このことがアレルギー疾患や神経疾患、そして心臓疾患や脳卒中などの血管疾患の原因となっている可能性があることが、近年の研究でわかってきました。

食生活の欧米化によって、人々のとる油のバランスはn-6が多くn-3が少ないものへと大きく変わっており、それが多くの疾患の原因になっているのではないかと考えられています。(「本当に健康になる食」をめざして) 2015年版で紹介しているメタアナリシスにも、それを裏付けるものがあります。まずアレルギー疾患と神経疾患についてあげてみます(文末の【カッコ】内はCHAPTER2の項)。

  • 果物(n-6をほとんど含まない)をとる人は、ぜんそくになるリスクが低い【2-8】
  • ビタミンC、D、Eを含む食品(野菜、果物、魚など。これらはn-6が少ない)をとる人は、ぜんそくやパーキンソン病になるリスクが低い【4-8、4-9】
  • 地中海式食事(n-6が少なく、n-3が多い)をとる人は、パーキンソン病やアルツハイマー病になるリスクが低い【12-7】

肉、油、炭水化物をひかえめに大事に食べ、野菜をたっぷりと食べる食生活は、炎症作用のあるn-6脂肪酸のとりすぎを防ぐことができ、ひいてはそれが数多くの病気の予防につながることが考えられます。さらに魚を食べることで炎症作用をおさえるn-3脂肪酸(DHAとEPA)をとることができ、さらなる疾患予防の効果を期待することができます。(詳しくは書籍版 p.282を参照)

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